SNS社会をうまく描いた映画
※ちょっと『スマホを落としただけなのに』に関しては、ネタバレするかもしれない。
『スマホを落としただけなのに』(以下スマ落)は彼女とデートで観に行きました。次のデート何するか、話してるときにCMがやってたので何となく。
北川景子さん主演のホラーです。ポルカドットスティングレイの主題歌がとても印象的ですよね。
”逃げられな~い”ってやつ
『search/サーチ』これは、Twitter上で小島秀夫監督が取り上げていたので、タイミングが合えば観に行こうと思っていました。
どちらもSNSをうまく活用した作品になっているんですよ。作中のアイデアに「ほえ~っ」て感心するところがあってAIの時代についていけるのか不安になりました。

まあそんなことはどうでもいいんですけど。
スマ落のおおまかなあらすじは、彼氏(田中圭さん)がスマホをタクシーに忘れてきてしまい猟奇的な殺人鬼に襲われるストーリーです。
いっぽうでsearchは、失踪した16歳の娘をパソコンに強いお父さんが、SNSなどの痕跡をたどって行方不明事件の真相をつきとめる社会派スリラーですね。舞台はアメリカで主人公は韓国系アメリカ人。
『スマホを落としただけなのに』の感想
あなたの全てを知っている存在。
それは家族でも恋人でもなく
……“スマホ”です。
けっこう響くコピーですよね。
ほんとうにスマホの中にどれだけ個人情報が詰め込まれているか
写真もそうだけどTwitter、Facebook、Instagramと他人には見せられないです。
おおまかなあらすじ
冒頭はタイトル通りでして、ドジだな~なんて思いながらストーリーはCMとおなじ展開でした。
アカウントを乗っ取られて、周りとの関係を壊されてしまい、さらに暴かれたくない過去まで明かされてしまう。怖いけど想像をなかなか超えてこない映画。

この映画に出てくるネット犯罪の手口って、いったんおいしい思いさせてから根こそぎ奪うみたいな方法だから、自分もうっかりしてたら引っ掛かりそうで怖い。

アカウントのパスワードも誕生日とかに設定しているとFacebookから調べられて、すぐ解除されちゃうし。知り合いに成りすまして、個人情報抜き取ってくるし気味が悪かった。パスワード変えようかな
ほとんどの感想ってこんなものになりそうです。
ここがよかった
まあでも、終盤で明かされる犯人の存在がぼくはすごく印象深かった。
最後に犯人が捕まって、取調室で身元を確認するんですけど。
持ってるIDが、すべて偽物で原田泰造が
『どれがお前なんだ!一体お前は誰なんだ!』
犯人に殺された被害者の親や知り合いたちは、みんな犯人がなりすましたメールを信じて、心配なんてしない。
そんな被害者を追い詰める犯人も同じように誰も彼の存在を知らない。
すごく不気味なんです。
誰ともつながってない得体のしれない殺人鬼が…
自分を証明するものは、スマホにある情報なのか、他人に知られている自分なのか
社会とのつながりの根底を考えさせられる映画でした。
『search/サーチ』の感想
スマ落がSNSから、犯人に追い詰められていく映画なら、こちらは大切な人を探す映画です。
物語はすべてPCの画面で展開する映画の表現の仕方も、異彩を放っていることで話題にもなりました。そして親子の関係に一石投じる内容でした。
おおまかなあらすじ
父デビットと娘マーゴットの関係は、母親を亡くした頃から関係が希薄なものに。
日常的なメッセージのやり取りはするもののお互いに踏み入ったことを話すこともない様子。すれ違いの生活が描かれています。
そして、マーゴットが友達の家で課題をやってから帰るという会話を最後に彼女は失踪します。
ここがよかった
- 捜査のあざやかな手法
- リアリティを追求したPC画面上での展開
- 伏線の回収が見事
失踪してから、娘のPCからさまざまなSNSを利用し、彼女とゆかりのある人物に聞き込みをするデビット。警察とも連携し、捜査の進展に貢献します。
マーゴットのアカウントの履歴から、彼女の足跡をたどる手法が見事なものだったのでどんどん映画に惹き込まれていきます。

Googleマップの使い方にあんなのあったのか…
映画自体のテンポもよく、次々と明らかになっていく事実に飽きがこず安心して見れました。
デビットがいなかったら、スマ落の犯人が狙うのはマーゴットのような女の子でしょう。大切なものを守るために必死に駆け回るデビットの姿に心打たれます。
新しい手法に取り組んだ映画なのでネタバレはやめときます。
なのでこの記事ではあまり深く語らないことにします。機会があったら、考察も含めて記事を書きます。
僕は映画を、メッセージを探るように鑑賞します。
そうすることで、より深く楽しめるし、得るものも多いからです。
まとめ
おなじ時期にSNS社会をテーマにし、まったく切り口が違う映画だったので比較してみました。
ただお互いの映画にいたのは、強くつながっていたいと思う関係があったことです。鑑賞後に思い出す人たちに自分は支えられているのだとあらためて感謝したいと思いました。
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