近頃、日本映画の質もずいぶんよくなってきたもんだと2018年の年の暮れに思う今日この頃です。
「カメラを止めるな!」から、え~っといろいろありましたよね。印象的な日本映画。たぶん興行収入1位は名探偵コナンだと思いますが。。。コードブルーかな?
自分的には「若女将は小学生!」も面白かったです。子供連れの観客が多い中、アラサーの独身男が号泣しました。まあそんな若女将とは正反対のドロドロの日本のホラー映画を今回はおススメします。
「来る」は癖(トラウマ)になる
監督・脚本:中島哲也
原作:澤村伊智(「ぼぎわんが、来る」角川ホラー文庫刊)
出演:岡田准一 黒木華 小松菜奈 / 松たか子 / 妻夫木聡
画像引用元:
完成したのは公開直前だったという本作。中島哲也監督といえば「嫌われ松子の一生」や「告白」などの人間のドロドロした部分を巧みに演出することで評判です。
現場では、必ず怒られるらしいです。小松奈菜さんも本作で「青春映画のやりすぎ」となじられたそうです。
さて本作はプロモーションでも「こわいけど、面白いから、観てください」とあるようにエンターテイメント性の強いホラー映画です。
恐いところは、観客全員が沈黙するぐらいおぞましいですが、魅せるところはきちんと魅せつけてきます。
あらすじ(ロングトレーラー)
登場人物
個人的には柴田理恵さんが演じた”セツ子”さんがインチキ臭いんだけど、本物の霊媒師として活躍するところがいぶし銀の様なかっこよさがあって好きでした。
小松奈菜ちゃんは黒髪よりピンクヘアーのほうが好き。
感想(後半ネタバレあり)
古くから伝わる言い伝えにある子供を恐がらせるためのおばけの話が、ここまで身の毛もよだつ映画になるとは正直思いませんでした。
ある種、金田一耕助の事件簿の様な不気味な雰囲気がただよう様な作風でした。
ただ本当に得体のしれない幽霊?妖怪?怪物が、日本中から集まった霊媒師たちと霊能バトルします。
そんなバケモノに狙われた田崎家は、世間から見たら幸せそうな家族だが、実態はとうに家庭崩壊したものでした。
イクメンを装った旦那とワンオペ育児で子供につらく当たる母親。”あれ”はそこに付け入りました。
他人の声に化け、人の心の闇につけ込み田崎家を追い詰めていきます。
3分の2程度は田崎家をとりまく人間の裏表をこれでもかと観客に見せつけてきます。バケモノも恐いんですけど正直人間のどす黒いところに背筋が寒くなりました。
でもそこが癖になっていくんですよ。つい覗いてみたくなるような感覚が。どうしようもなくほしくなります。
ここからはネタバレになります☟
見せ場がすごい!!
本作はエンターテイメントと銘打っているだけに、真琴の姉の琴子(松たか子)が出てきてからはいっきにスケールがでかくなります。
警察も彼女に従い、日本全国から霊能力者を集めます。
そのカッコよさと言ったら、中二病をくすぐります。
ぼぎわん(バケモノ)との戦いは、さながら神事を執り行うお祭りのように運び”最強の霊能力者”琴子VSぼぎわんに緊張が走ります。
次々とぼぎわんの邪気に負けて殺されていく霊能力者たち…
めちゃくちゃこの一戦を盛り上げてくるのでかたずをのんで見守るしかありませんでした。
あぁ!!超恐い!!恐いい…
次々と殺されていく霊能力者。追い詰められていく岡田准一。琴子に邪険にされながらも子供を守るため身を挺して頑張るんですけど。
マンションの窓から吐き出されるように吹っ飛ばされる岡田准一。
そこから最後はオムライスで締めるもんだから、あっけにとられてしまいました。
子供が寂しいから、かまってほしいからいたずらをしたり嘘をついたりした結果がぼぎわんを呼び出してしまったという悲しい一面もあるんですけど。
これが、原作だとどうなっているのか、また気になってしまいました。
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